桜が通り過ぎてしまったみたい。

二人分の食事作りにまだ慣れない。

息子が一人暮らしを始めるまではとにかく量がいった。炒め物でも煮物でも和え物でもサラダでも、ごんごん作ってどんどんなくなる。

今は食材の量がこれまでの半分くらいでいいみたいなのだけど、その加減が難しい。気がつくと多く作っている。煮込み始めてから、ああこんなに作っちゃった、などと気がつく。そして息子がこの家に「いない」ことが実感となってやってきて、胸が少しだけきゅっとなる。

息子はたいていの男子がそうなように肉がない日はテンションが下がるし、バイトをはじめてからは一日五食とか食べていた。昼飯の片づけを終えて少しするともうバイト前のご飯の支度をしなければいけなかったりでそれはそれは大変だったけれど、旦那と二人だけの食事を二食(朝は基本的に食べない)作るだけなのは、やっぱり少し寂しいものだな。

3月10日に息子が一人暮らしのために引越してゆき、旦那と私と老犬さんはその4日後に東京から神奈川に引越しをした。怒涛の一月が終わり4月がやってきたのですね。気がつくと桜もだいぶ散ったとか。荷解きの気晴らしに通り過ぎるように薄桃色の花を見ただけだったけれど、花をめでる心の余裕もなかったのが正直なところだ。

今日、引越し業者さんが荷解きを終えたダンボールを引き取りにきてくださった。なんだかんだで150箱ほどあっただろうか。あとはちまちま片付けつつ、生活と創作に勤しみたいと思っている。

今日は息子の入社式。遅刻せずに行っただろうか。ラッシュ時の電車に揺られているところを想像するだけで、また少し胸がきゅっとなる。なんたる親バカだろうか。だけど勝手になるんだから仕方がないのだ。

誰にとっても新しい春なのだな。春ってなんだか寂しいね。