停滞の罪で禁固刑。

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朝、裏返った靴下を直してはいたはずなのにふとみると靴下は裏返ったままだった。あれ? と思いながら直してはく。それなのに今、足元をみると靴下はまた裏返しなのだった。いったい何が起こっているのか。まるで迷宮に入り込んでしまったみたいに。このまま一生靴下の表(おもて)には会えない気がしてくる。もしかしたら表なんかはじめから存在しないのかもしれない。

昼に食べた目玉焼きのせいで口の周りがべとついている。洗面所に行ってゆすげばいいのにそれができないでいる。やろうと思ったことを即実行できないのは生まれつきだろうかそれともさまざまな経験を経てそうなったのだろうか。

私は何を学んできたのか。今は何を学んでいるのか。

そんなことを考えていたって物事はどこにも向かってゆかない。

私は行動について考える。行動について考えていることはけして行動しているとは言わない。行動とは動くことだ。動くと掻き雑ぜるは同じなのではないか。自分の周りに漣がひろがるところを想像する。

行動しなければ何も変わらないという当たり前のことが、空恐ろしくなる。羨望の眼差しをどこにむけたらいいのかもわからないで蹲っているだけだなんて。

ドアを開けよ。