金曜日は家中に掃除機をかけて。

急に秋めいたと思ったらまた夏が戻ってきた。暑くてじめじめしていて不快。しかしまあ、あの地獄の窯のようだった時とはやっぱり違って、風が吹けばいささかしのぎやすい、か?

台風一過というほどの晴れ間はなく、灰色の雲が右から左に早い流れで続いている。その隙間から生まれたてのような淡い色の青空が。朝から洗濯を干したけれど、ちっとも乾きそうにない。

 

昨日は近所でやっていたくじ引き大会みたいなものに行って来た。システムがわからないまま参加したらお金がいった。そうなのか、と思いながらも払って、ガラガラをまわした。出たのは緑色の玉。三等賞の金券1000円分が当った。

主催者側の大人たちはみんな酔っぱらっていた。参加者に向かって大きな声で「ゆっくりまわせよ」とか平気で言っている。「みんな待ってるんだから急げ」と怒鳴ったりしている。言われた人も「ぜんぜん当んないじゃないの」とか言っている。どちらも笑ってるから、そこには深い関係性があるのだなと興味深く見ていた。

黒塗りの車の運転席から白い手袋をはめた男が降りてきた。ワイシャツにスラックス。車は、こんなとこに停めていいのかというところに駐車されている。偉い人が乗っていると一目でわかるような車だった。手袋の男が後部座席のドアを開けると、そこから偉い人と一目でわかる風貌の男が出てきた。ドアぐらい自分で開けたらどうかと思う。立派な手がついているのだから。男は全身くまなく清潔で、くまなく偉そうに見えた。やあやあやあやあ、と腕をあげてどこぞかに向かって笑いながら、周りの人間を蹴散らすように歩いていた。男の目はきっと、自分に意味のある人間しか映らないようにできているんだ。

 

狂ったように鳴いていたセミたちの勢いが少し弱まってきた気がする。蝉の声で起きるという困った状態からようやく解放されるかもしれない。

 

低空飛行ながら書き続けている。一日最低でも三枚は書こうと決めてやっているが、本当はもっと進めなければいけないのだ。間に合うのか。心が閉じたようになっていて、これではいけない。開いてみつめて奥に進まなくては。上滑りの言葉からは何も生まれない。

どこか遠くに旅をしたい。