渦に巻き込まれ困れほまれ。

一年以上ぶりの更新にして唐突に、健康な体を持つとはそれだけで幸せなのだよという話。

2020年年明け早々、夫が入院し、食道がんのステージ4と告げられる。症状はあったからちょっとした覚悟やらありつつも、ステージ4かよと。二人でなんか笑っちゃって。現実感がないから気持ちがふわっふわ。

そのまま怒涛の日々に突入しだのだった。夫は検査検査だし、私は役所とか保険関係の手続きをしながら病院に通う日々である。

お金関係のこと、うちは全部夫がやっていたから、一から勉強するつもりもないけど強制的にそうなる感じで四苦八苦しているけれど、窓口の人がどこも親切にしてくれて、銀行なんか、長時間つきっきりで手続きしてくれてありがたかった。役所のおばちゃんは、「うちの旦那も病気してICUとか入ったりして大変だったわ。頑張りすぎないで頑張ってね。自分が一番大事よ」なんて言ってくれて優しかった。

常識知らないまま歳だけくえちゃってた人間だとつくづく感じる。いろはのいから勉強しつつ、本音は秘書が欲しい。

で、昨日は夫のお母さんとか弟妹とかが、遠くからお見舞いに来てくれた。本格的な治療がはじまるまえにということで。夫の車を売るうんぬんもあって、うちにも立ち寄ってくれた。久しぶりににぎやかな家の中。全然関係ないけど、今、ネックウォーマーの中からご飯の塊が出てきた。昼に食べ落としたものだろう。小指大くらいでのりたままみれ。こんなに大きく落としてなぜ気づかない。そして、なぜ落とす。農家さんごめんなさい。昨日、45歳になった大人女子です。

自分以外の人の声がある家は温かいね、なんてちょっとしんみりするんだろうなと先走って想像していたけど、それぞれが伝えたいこと、聞きたいこと、やることがあり、まあ忙しくバタバタした時間だった。

バタバタは大事。じっとして考えていると良からぬことまで考えてしまいそうな状況のときは、身体を動かすのがいいということを日々身をもって経験中だ。物を捨てまくっている。夫が退院してくる頃には、今の半分の量くらいに物を減らすのが目標。今後、二人で生きていくのに必要な最低限度の物だけ残して、身軽になるのだ。身軽になって、どこだって行けて、なんだってやれるようにするんだ。

夫は今、自分のつばすら飲み込めないけれど、「もう一度旨いものが食えるようになるまでは絶対に死なん!」と言ってるので、死なないと思う。